メンタルヘルスマネジメント研修に登壇しました
心の健康には上司の関わりも重要
本日から3日間、自治体でリーダークラスの方々に向けた研修に登壇しています(人材育成研修はこちら)。タイトルは「~職員一人ひとりが健康で生き生きと働くことのできる職場を目指す~ メンタルヘルスマネジメント研修」。自治体でも企業でも、一人ひとりが健康で生き生きと能力を発揮して働くには、個人の在り方は勿論ですが、上司の関わり方が非常に重要になってきます。
こちらはNIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)の職業性ストレスモデルですが、仕事のストレスがあっても、100人が100人、ストレス反応が現れるわけではありません。「仕事のストレス要因」と「ストレス反応」の間には、性格・価値観・考え方などの「個人要因」、私生活のトラブルなどの「仕事外の要因」、上司や同僚、家族等からのサポートや仕事の満足度などの「緩衝要因」があり、その大小によって、同じような仕事のストレス要因があっても、人によってストレス反応が出るかが変わってくるのです。
この「緩衝要因」にあたるのが、上司の関わり方。どのようなコミュニケーションの取り方をするかによって、それが緩衝要因にもなれば、上司の関わり方自体が仕事のストレス要因にもなり得るので、上司の方々は意識する必要がありますね。
リーダーは仕事の意義を語っているか
上記の図にもある通り、緩衝要因の中には「仕事の満足度」という項目があります。仕事の満足度には様々な要素があるでしょうが、その中でも「その仕事に意義を感じられているか」は非常に大きな要素と感じます。特に若手の場合、自分の行っている業務が何に繋がるのか、誰の役に立つのか、社会にどのような影響を及ぼすのか、そんなことはなかなか自分ではイメージできません。するとどうなるか。仕事は仕事ではなく作業になってしまいます。何のためにやっているのかもわからず、ただ一部だけ切り出された作業を行って仕事にやりがいを感じられるかというと、なかなか難しいですよね。
だからこそ、上司がこの仕事にはどんな意義があるのか、何の役に立つのかなどをメンバーにわかるように伝えることが重要です。「WHY」の部分です。人は「WHY」で動くものですが、自分もプレイヤーとして忙しく仕事をしていると、業務の指示をする時に、つい「WHAT:なにをするか」、「HOW:どのようにするか」ばかり伝えてしまうということは多々あることです。上司の方々は、ご自分の伝え方について振り返る必要がありますね。
サーバントリーダーシップ×メンタルヘルス×レジリエンスで心の健康へ
というわけで、今回の研修では、単にメンタルヘルスのラインケアに関することだけではなく、どのようなリーダーシップを発揮すれば心理的安全で成果の高いチームに成長させていけるのか、部下の不調に気づいて立て直すには何に気をつけないといけないのか、いつもと違う様子に気づいたらどのように声をかけるのか、メンバーの心の仕組みと、その心を育てるには上司がどのように関わっていけばいいのかを、リーダーシップの在り方の一つである「サーバントリーダーシップ」、健康で生き生きと過ごすための「メンタルヘルス」、困難に遭ってもしなやかに受け止め逆境から立ち直る「レジリエンス」をキーワードに、リーダーの皆様と学びを深めていきました。
前職ではメンタル不調の方々の休職や復帰のサポートもしていた私。今はハラスメント防止やコミュニケーション改善の研修やコンサルティングを主に行っていますが、前職、最初に学び始めたのはカウンセリングで、心の健康の重要性に気づいたことが、今の仕事に繋がっています。本日の学びを、受講者の方々ご自身の心の健康と、メンバーの方々の心の健康、そして心理的安全で一人ひとりが能力を発揮できるようなチーム作りに役立てていただきたいと心から願っています。
ハラスメント防止研修はもちろん、メンタルヘルスやリーダーシップ、心理的安全なチーム作りなど、コミュニケーション全般についても研修を承っております(人材育成研修はこちら)。ハラスメントの問題も元をただせばコミュニケーションの問題。単にハラスメントを防止したいということだけでなく、一人ひとりが能力を発揮できるような組織に成長させたいというご相談も承っております。研修は、御社の課題、今起こっていることなどをヒアリングさせていただいた上で、御社の課題解決に向けたオーダーメイドのご提案をいたします。どうぞお気軽にご相談・お問い合わせください。
咲良美登理事務所 代表 咲良美登理
社会保険労務士。21世紀職業財団認定ハラスメント防止コンサルタント。中小企業を中心に、ハラスメント相談窓口サービスや窓口担当者養成講座の提供、事案解決サポートや人材育成研修など、ハラスメント対策を起点とした生産性向上のコンサルティングを行っている。
ご相談・お問い合わせ▶https://sakura-midori.jp/contact